猫エイズは発症したとしても、症状ごとに適切な治療を行うことで延命が可能

猫エイズの発症

猫エイズを発症するまで

まず、猫エイズに感染するということと、猫エイズを発症するということは別であるということをしっかり理解しておきましょう。猫エイズウイルスに感染したからといって、すぐに猫エイズを発症するわけではなく、急性期、無症状キャリア期を経た後に発症するのです。

感染して1カ月ほどたつと発熱、下痢、リンパ節の腫れのほか、口臭やよだれなどの症状が現れる急性期を迎えますが、数カ月後にはそうした症状がなくなり、あたかも治癒してしまったかのように見える無症状キャリア期に入ります。ただし、その間も、猫エイズウィルスは血液中のリンパ球の中に潜んでいて、症状を現さないまま数年間の潜伏期間を過ごします。

その後、再びエイズウイルスが活動しはじめ、口内炎や鼻炎、結膜炎、下痢のほか、慢性の皮膚炎や外耳炎などの症状が現れるようになります。この段階でようやく「発症した」ということになるのです。無症状キャリア期は4~5年、長いものでは10年以上続くことがありますから、猫エイズを発症するまでには、長い猶予期間があると思ってください。(⇒猫エイズの症状)


猫エイズを発症すると

猫エイズを発症すると、特に顕著なのが口内炎や歯周病などの症状です。口の中が痛んだり、炎症が喉の奥まで進むなどして食事が摂れなくなったり、血液の混ざった、悪臭を放つよだれをたらすといった症状がみられるようになります。(⇒口内炎の治療)

いったん発症してしまうと、体のいろいろな器官がやられ、慢性的にさまざまな病気を繰り返したり進行させたりしながら徐々に悪化の方向に進み、最終的には免疫力が低下し、貧血が激しくなって体重が落ち、リンパ腫などのがん(悪性腫瘍)に罹患したり、他の病気を併発するなどして命を落とすことになりますが、いずれも急激に悪化するわけではなく、数ヶ月から数年という時間をかけながら、徐々に終末期へと向かうのです。


発症してもあきらめないで

猫エイズを発症してしまったからといって、あきらめてはいけません。猫エイズは、その時々の症状に合わせた適切な治療さえ行っていくことができれば、十分に延命を図ることができる病気だということをしっかり頭に入れておきましょう。(⇒猫エイズの治療)

発症前も発症後も、ストレスのかからない環境を作り、猫自身の免疫が高まるよう、食事管理などを丁寧に行ってあげましょう。飼い主の愛情と根性があれば、たとえ発症したとしても、長い時間を共に過ごすことが可能なのです。



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